実施日 2016年9月8日(木)〜11日(日)例会
リーダー H・M 参加5名 ランク C
今回の山行は、南アルプスの核心部で人気のある荒川三山・赤石岳の
縦走である。 椹島から反時計回りに山小屋で二泊し、荒川三山[悪沢
岳(3141m)・荒川中岳(3084m)・荒川前岳(3068m)]・赤石岳(3121m)
を踏破した。
週間天気予報では、最終日が雨模様の予報であったので、
一日繰り上げ、前日の夜に出発する事にした
。
第一日目 9月8日(木)
和歌山21:00===04:30畑薙第一ダム駐車場(仮眠)
京奈和道・名阪・伊勢湾岸をひた走る。新東名島田金谷ICから国道
473線に入り、大井川に沿って、くねくねと細い道を登っていく。
目的地は中部電力畑薙第一ダム近くの臨時駐車場であるが、ICからは
二時間程の行程。途中鹿やカモシカの子供に何回か出合うが車を見ても
逃げない。とにかく山奥である。
午前4時30分頃駐車場に到着。駐車
場は広く200台位駐車出来そう。今日は平日であり登山客も少ないの
か車も少ない。好きな場所に駐車して明るくなるまで仮眠する。
第二日目 9月9日(金)
畑薙第一ダム駐車場07:40==08:40椹島(さわらじま)ロッジ08:50
…滝見橋09:05…吊り橋09:15…小石下11:20…清水平11:20…見晴台
13:30…駒島池15:05…千枚小屋16:00着(泊)
ここから椹島まで東海フォレストのバスに乗ることになる。マイクロバス
なので、早い順番を取っておかないと乗れない恐れがあり出発一時間前位
から順番を取りに行く。並び始めの頃は人も少なかったが、出発時間が近
づくと大勢の登山客となり結局全員乗れず積み残しの人が5〜6人いた。
運転手に聞くと迎えのバスは椹島から出るので一時間位かかるとの事である。
椹島までの道は悪路の連続であるが、睡魔に勝てず窓に頭をぶっつけながら
時間を惜しんで眠る事にした。 一時間程で椹島に到着。今日は爽やかな好
天で、全員元気そうである。
椹島から千枚小屋は標高差約1500m、我慢
の登りが続く。登山道は中部電力の保守道となっているところが多くよく整
備されている。ダケカンバ、白樺の樹林帯を黙々と登って行く。樹林帯がほと
んどであり、直射日光を受けず登りやすい。途中、大分から来た登山グループ
と知り合いになる。このグループとほぼ同じペースであり、最終日まで抜いた
り抜かれたりと三日間付き合う事になる。
登山道から少し外れた所に
見晴台が
ある。ここは千枚小
屋までの途中、唯一荒川三山、
赤石岳が眺望できる場所。

見晴台から荒川三山と赤石岳
ここからは急登の連続、昨夜
の寝不足からかメンバーに疲れ
が見え始める。駒島池
に着く頃
が疲れのピーク、あとひとふん
ばりと励ます。
16時小屋に到着。
一気に視界
が開け、正面に富士山が望める。
千枚小屋のビールはよく冷えている、
早速乾杯。到着が遅かったので部屋は二階であるが新しい小屋で寝具も清潔であり
快適である。
第三日目 9月10日(土)
千枚小屋04:00……05:00千枚岳05:30……丸山06:30…東岳(悪沢岳)07:00
……08:20中岳08:40…10:00荒川小屋10:40…大聖時平11:15…小赤石岳
12:45…赤石小屋分岐12:50…13:20赤石岳13:40…赤石小屋分岐14:00…
北沢源頭15:00…富士見平15:50…赤石小屋16:30着(泊)
今日は赤石小屋までの長丁場、朝4時に小屋を出発。ヘッドランプをつけて千枚
岳を目指す。
千枚岳に到着する頃には薄明るくなってきた。正面に雲海の中に浮か
ぶ富士山がハッキリと望め、ここでご来光を拝む事にした。

雲海に浮かぶ富士山とご来光、千枚岳から
千枚岳から悪沢岳を目指す。千枚岳
の下りで、一か所難度の高い岩場が
あった。
そこは日頃のトレーニング
のおかげ、メンバー全員難なく通過。
途中、後ろを
振り返ると岩場の向こう
に、朝の富士山が優しい姿を見せて
いる。
この日は一日中富士山を見ながら
歩く。
丸山岳を通過し、南アルプス南部の最
高峰の悪沢岳(東岳3141m)
に07時到着。
360°の大展望である。
遠く北アル
プスの槍、穂高が望め、
中央アルプス、恵那山も見える。
北方は塩見岳、間ノ岳
に甲斐駒、仙丈岳が望め、南方は赤石岳、その後ろには聖岳が見える。
悪沢岳か
らの眺望を惜しみつつ、荒川中岳に向かう。中岳へはいったん急なガレ場を下り、
登り返すと荒川中岳山頂手前にある避難小屋に到着。
ここで休憩時間を少し長くとり各自、軽い食事をとる。小屋の管理人さんに色々と
聞きながら、ここでも大展望を満喫し、荒川小屋を目指す。
荒川前岳から荒川小
屋まで、急坂を一気に下る。途中、有名なお花畑を通過する。そこは鹿の食害防止
用のネットが周囲に設置されており、扉を開閉して通過する。花の最盛期には、さぞ
きれいであろうが、時期が遅く、ほとんど枯れている。又の機会としたい。
10時
小屋に到着し、早速昼食とする。小屋の窓から富士山を眺めながらの食事、最高のも
てなしであるが食べたうどんがまずく全員から不評であった。

荒川小屋食堂から富士山
荒川小屋から小赤石岳までは始めは急登で、その後は比較的なだらかな登り、
頂上手前から又急登となる。
赤石小屋分岐の鞍部にザックを置いて空身で赤石岳へ
登頂する。ザックが無い分、足も軽やかである。

赤石岳の避難小屋をはじめ千枚、荒川、赤石小屋と荒川三山の小屋は建て替えたのか、
きれいな小屋ばかりである。(唯一、荒川中岳避難小屋が古かった
) 赤石岳からの眺望
を堪能して下山開始。赤石小屋まで約600m程下る。分岐からは急で、危険なガレ道
を下り、途中から尾根の南側をトラバースして富士見平に至る。この間は急な下りや壊
れかけた梯子等もあり疲れた重い足を慎重に運んでいく。
富士見平に着くと、あと少しで
赤石小屋、16時30分小屋に到着。 小屋の展望デッキから聖岳を正面に、今日登頂した
赤石岳を右に望みながら早速ビールを飲む。しかし冷えてなく、おいしくなかった。

荒石小屋で
第四日目(9月11日(日)
赤石小屋05:20…カンバ段07:10……08:20椹島ロッジ10:30発===畑薙第一ダム駐
車場11:30==白樺荘12:30着(泊)
朝食は4時半、椹島10時30分のバスに乗るので、急ぐ必要はないが5時20分に出発
する。
椹島までは急坂の連続、時間に余裕があるので、急がずゆっくりしたペースで下山。
最後の鉄梯子を下れば東俣林道に突き当たる。ここからすぐに椹島、8時20分到着。
バスの乗車手続きを済ませ、この三日間の無事を祝い、レストランでコーヒーとビールで
乾杯。椹島は南アルプス南部の登山基地、広いキャンプ場、ロッジ等があり、ゆっくりとく
つろげる。
バスを待っている間、芝生で寝たり、記念館を見学したりして時間をつぶした。
10時30分出発、悪路を走る事、一時間で畑薙第一ダム臨時駐車場に到着。ここから白樺
荘に直行。早速、温泉に入り、疲れた体を癒した。白樺荘は一泊二食付きで7000円弱。
部屋は二段ベッドであるが、料理も想像以上に良く、温泉付きでこの値段は満足できる宿で
あった。
第五日目(9月12日(月)
白樺荘06:40=(新東名・名阪・京奈和経由)==和歌山15:30着
朝早くに出発し、一路和歌山へと車を走らす。